子供は子供だった頃
腕をブラブラさせ
小川は川になれ
川は河になれ
水たまりは海になれと思った
子供は子供だった頃
自分が子供とは知らず
すべてに魂があり
魂はひとつと思った
子供は子供だった頃
なにも考えず
癖もなにもなく
あぐらをかいたり とびはねたり
小さな頭に 大きなつむじ
カメラを向けても 知らぬ顔
子供は子供だった頃
いつも不思議だった
なぜ 僕は僕で君ではない?
なぜ 僕はここにいて そこにいない?
時の始まりは いつ?
宇宙の果ては どこ?
この世で生きるのは ただの夢?
見るもの 聞くもの 嗅ぐものは
この世の前の世の幻?
悪があるって ほんと?
悪い人がいるって ほんと?
いったい どんなだった
僕が僕になる前は?
僕が僕でなくなった後
僕はいったい何になる?
子供は子供だった頃
ほうれん草や豆やライスが苦手だった
カリフラワーも
今は平気で食べる
どんどん食べる
子供は子供だった頃
一度は他所の家で目覚めた
今はいつもだ
昔は沢山の人が美しく見えた
今はそう見えたら僥倖(ぎょうこう)
昔ははっきりと天国が見えた
今はぼんやり予感する
昔は虚無など考えなかった
今は虚無におびえる
子供だった頃 子供は遊びに熱中した
今は あの熱中は
自分の仕事に追われる時だけ
子供は子供だった頃
リンゴとパンを食べていればよかった
今だってそうだ
子供は子供だった頃
ブルーベリーがいっぱい降ってきた
今だってそう
胡桃を食べて舌を荒らした
今も同じ
山に登る度に もっと高い山に憧れ
町に行く度に もっと大きな町に憧れた
今だってそうだ
木に登り サクランボを摘んで
得意になったのも 今も同じ
やたらと人見知りをした
今も人見知り
初雪が待ち遠しかった
今だってそう
子供は子供だった頃
樹をめがけて槍投げをした
ささった槍は 今も揺れている
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この「ベルリン天使の詩」は、あまりに素晴らしいので、方々で宣伝(?)してきた1987年の映画です。
天使はダークコートを着て、モノクロの人間世界を記録し続けている。ある時は絶望に満ちた人のそばに座り(人間からは見えないけど)、希望の光を心に灯す。子供たちには彼らが見える。ごく普通に笑顔を向けて、話しかけたりする。図書館は彼らの憩いの場。人が心の中で読む詩人の言葉や物語を、音楽のように聞く。
ある時、人間になっていろんなことを体験したいとある天使が考えはじめる。そんな時、街中である男(ピーター・フォーク)が話しかけて来る。
見えないが、いるな?
ずっと感じてる。
君の顔が見たい。
こっちがどんなにいいか、教えてやりたい。
冷たいものに触る。いい気持ちだよ。
煙草を吸う。
コーヒーを飲む。
一緒にやれたら、言う事なしだ。
絵を描くのもいい。
鉛筆を持ち、太い線を引く(やってみせる)。
それから細い線、二本でいい感じの線になる。
手がかじかんだら、こすり合わせる(やってみせる)。
これが、またいい気持ちだ!
素敵な事が山ほどある。
でも君はいない。僕はいる。
こっちに来たらいいのに。
話ができたらいいのに。
友達だからさ(手を差しだす)。
カンパニエロ!
実はピーター・フォークも元は天使だった男。
そして今は人間の体験をたっぷり楽しんでいる。
見ているとなんだかしあわせになる映画です。
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>横浜人さま
コメントありがとうございます。
私も毎週土曜はひとりで放課後にメジャーでない映画館に行くのが楽しみな映画少女でした。
感性のすべてを委ねてしまえる、心にすーっと入って来る映画ですね。
2作目を見ても、この1作目を知った時のインパクトが忘れられません。
Posted by: Yuu | 06 October 2009 at 21:09
十年前に見て以来、いまだに心のベストワンといえる作品です。当時ぼくは典型的な映画少年で、それこそ浴びるように映画を見ていたのですが、この作品に出会った瞬間「この作品を超える映画を、きっと僕は見ることができないだろう」と確信しました。十年経って、やはりいまだにこの作品は特別な映画であり続けています。
Posted by: 横浜人 | 04 October 2009 at 22:43